物の管理、どうしてできないの❔
さっき拾ったのに、また物が落ちてるー!どうすりゃ、いいんじゃー❕❔
教員をやっていたら、こんな子に出会うこともありますよね。
そりゃ、私だって整理整頓はきっちりできません。
でも、子供の中には「レべチ」の片付けられなさ=常に散乱させてしまう猛者に出会ってしまうのです。
今回は、手の施しようのない(ように見える)子供に対してできることについて考えていきます。
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- 物の管理、どうしてできないの❔
- 【原因】不器用さ、不注意、家庭環境、注意散漫、、、、理由はそれぞれ
- 【対策1】その子専用の「片づけボックス」の活用
- 【対策2】担任が預かる(学校置き)
- 【その他】心の距離を縮める
【原因】不器用さ、不注意、家庭環境、注意散漫、、、、理由はそれぞれ
不器用さ
落とした物を拾おうとする間に、他の物を1つ2つと落としてしまう。
何かを取り出そうとする時に、うまくそれだけを出すことができずに違う物が2つも3つも落としてしまう。
ものの一瞬ですらこれですから、一時間の授業中、一日の中ではその子の行動範囲、教室中に物があちらこちらに点在しています。
指先の使い方、身体の使い方がうまくできないために、物を落としてしまったりうまく拾えなかったりすることが原因にあります。
家庭環境
家の中が全く片付いておらず、物が探せない状況の中でずっと生活をしている子に、教室で「片付けなさい。」と口で言ってどうにかなる問題ではありません。
ただ、気をつけないといけないことは、
「片付けられない子=その親も片付けられない」
とレッテルを貼ってしまうことです。
受け持った子供の中で、もちろん親自身も片付けられないという状況の子もいました。
しかし、中には親が毎日筆箱の中やランドセルの中を整理整頓してあげて、なんとか子供が勉強に力を注げるようにと手間暇をいとわず、様々な配慮をされている方も多くいました。
「親が全部やってしまうから子供ができないんだ。」という声が聞こえてきそうですが、壊滅的に片づけができない(その段階ではない)子は実際にいました。
その子に毎日「一緒に片付けよう。」「明日の準備をしよう。」と促し、付き合うのは相当骨が折れます。
共働きの多い現在、親もくたくたの中、子供も学校で疲れやる気がない又はイライラしている時はなおさら大変なものです。
正直、私がその子の親でも「それは、無理❕現実的ではない❕」と思います。
むしろ、相当うまくやったり配慮したりしないと、子供はやる気をなくし、親子間もギスギスしそうです。。。
そうなるくらいなら、親がやってしまうはアリだと思います。
ただし!!!
親が全部やってしまうと、いつしか
「片付け=親がやること=自分のやることではない」
となってしまいます。
なので、
筆箱の中身だけは一緒に確認してそろえよう❕
など、やることを1つにしぼり支度させることが大事です。
不注意
不注意とは、注意のたりないこと、また、配慮が欠けていることです。
ぼーっとしてしまい、物への注意ができておらず、物が落ちたことにも気付かない。
落ちた物に気付いていないので、もちろん拾わない(拾えない)。
デュアルタスク(同時に二つのことに取り組むこと)が苦手で、何事にも1つのことにしか集中できない子供に多く見られます。
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注意散漫
片付けができない子供の原因にかなりの確率でこの原因が当てはまります。
注意散漫とは、1つのことに集中できておらず、あれこれと気が散っていることを言います。
注意散漫な子供は、帰りのランドセルの支度をしながら、「このあとは何して遊ぼうか。」「△△さんが持ってるあれ何だろう?」「あ!〇〇君だ!言いたいことがあったんだ!」など複数の思考は目まぐるしく変わっては消え移ろいでいっています。
また、ランドセルロッカーにランドセルを取って自分の席に戻るまでに、物を落としたり他の友達と喋ってしまったりして、なかなか自分の席に戻ることができません。。。
【対策1】その子専用の「片づけボックス」の活用
なぜ、落ちている物を拾わないのか。
もちろん、落ちた物の存在が分かっていることが前提です。
それは、「面倒。」とよく表現していますが、そもそもなぜ「面倒」なのか?
- うまく拾えない。
- 拾っても入れる場所がない。(すでに机の中は満杯)
- 拾ってもまたすぐ落とす。
- 物を落とすことにキリがなく、物が落ちていても気にならない。
上記のことがまず考えられます。
そこで、みんなと同じ収納量だけではないプラスαの収納量を授けます。
その別収納には、本人が物を入れるのはもちろん、その子の落ちている物を拾った教師や友達が拾ってあげた際の「お届けボックス」の役割にもなります。
よく拾ってあげても、机の上はすでにいっぱい又は、拾ってもまたすぐ落ちやすい状態なので、「お届けボックス」があればまずは届けられます。
①袋タイプにして机の横フックにかける。
◎通路に場所を取らずに安全。蹴とばされどこかに袋がいくこともない。
△物を入れる時に一回一回袋を開けたり閉めたりが必要。カゴに比べて壊れやすい。
⇒袋の紐の片方だけフックにかけてもう片方はかけないならすぐ入れやすそう。
②カゴタイプにして机そばの床に置く。
◎口が広く常に空いているので、物の出し入れがしやすい。
△床に直置きなので、通行の邪魔になる。つまづくなど注意が必要。
注意点
①定期的に片づけをさせましょう。
すぐに満杯になるからです。
片付けをさせずに収納箱だけ授けるのは、散乱させる場所を増やすだけです。
例えば、金曜日の帰りの支度は手伝ってあげるから、持ち帰るものと置いておくものの判別をその子と教師で一緒にやるのです。
金曜日は体育着や白衣など持ち帰らせたい物がたくさんあるので、整頓もできて一石二鳥です。
「金曜日はーーー❔ カゴすっからかん🎵」
など合言葉を決めて、週に1度はカゴを空にして帰すリズムを作ります。
しかし、金曜日の帰り支度はあわただしく、他の子の持ち帰り忘れも見ないといけないので、続けることが難しいかもしれません。
そんな場合は、いい方法があります❕
金曜日の最終時間(5時間目か6時間目)の終わりの5分をみんなで片付けタイムにするのです。
そうすることで、クラス全体の教室環境も整っていきます。
まずは、机の中の整理タイム。
それができたら帰りの支度もOKとします。
その際、お隣の子や班の子にOKをもらったら帰り支度をしてもよいというようにチェック機能を作るとやる気や丁寧さが上がります。
さらに、それも終わった子にはお手伝いとして、「最終チェック班」に任命して水筒や体育着、白衣の持ち帰り忘れがないかロッカーチェックをお願いすると完璧です。
その時間に、片付けが苦手な子に教師が付いて片付けと支度を手伝います。
クラス全体の片付けタイムは、週に1回と言わず、「すきま時間」ができたら「片付けタイム」とするくらい習慣になると劇的に変わっていきます。
②事前に保護者と相談しましょう。
保護者も巻き込んでの指導にするためにも事前に保護者と相談しておきましょう。
現状を伝えて、本人だけの努力だけでは難しいこと。
ボックスは誰が用意するのか。(私は保護者にお願いしていました。)
金曜日にカゴを空にして帰らせるが、時間がないときはとりあえず大きな袋に移し替えて家に持ち帰らせるので、家で仕分けてほしい旨などを伝えるようにしていました。
③机間指導中は物を拾いながら歩く。
物が落ちている状態のままで良しとしない。
物が落ちている状態のままだと、その子も他の子も物が落ちていることが「当たり前」になってしまいます。
教師が率先して拾う。
「落ちている物は(自分の物でなくとも)拾うことが当たり前」
という雰囲気を作っていきます。
そうすることで、
- 物に名前を書く
- 物を床に置いたままにすることはよくないこと
ということにもつながっていきます。
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【対策2】担任が預かる(学校置き)
子供本人も片付けができない、保護者も忘れ物が多く物が揃わない(レべチで)場合も稀にあります。
ご家庭の協力が仰げないことは教師も大変です。
でも、だからと言ってそのままにもしておいても学習が全く進まない、クラス全体にも迷惑がかかるレベルでは、最終手段として必要な物は「学校(担任)保管」という方法があります。
文房具は貸し出すことはできても、
教科書は貸し出しが難しいです。(書き込みなど)
なので、教科書は教師が預かって1時間ごとの貸し出し方式で行うと、無くしたり忘れたりしません。
授業が終わって教科書が出しっぱなしも減ります。
注意点:相談してから取り組みましょう
教師の判断で行うのではなく、保護者に了解をとってから行いましょう。
その際、子供自身にどう思うか話を聞きながら本人の困り感も引き出しておきます。
本人も困っている、そうすることで勉強により向かえるようになると分かると保護者も快く了解しやすくなります。
何のために預かるのか、何を預かるのかなど共通理解をもてるように話すとよいです。
また、この対応は今後どの担任もやれることではない現在に限った対応であることを伝えておきましょう。
学年が上がって、「前の〇〇先生が担任と時は~してくれてましたよ。」と新しい担任に言ってしまうと、新しい担任もやりづらくなります。
こんなに手厚く対応することは多少なりの労力がかかります。
クラスにこのレベルの対応が必要な子が複数いては継続していくことが難しいです。
全体のバランスなどをみて継続していけそうだと教師が見通しがもてたらチャレンジしてみてください。
【その他】心の距離を縮める
あと特性とは関係ないですが、休み時間一緒に遊んで距離を縮めて
「この先生なんだかんだあっても、遊んでくれるところがいいところだな~❕」
と思ってもらうと、子供自身の「聞こうとする姿勢」につながると思います😊😊
体力に自信のない方は、
「何が好きなの❔」
「昨日、何したの❔」
とたわいのない会話をして心の距離を縮めていくこともオススメです😊
読んでくださり、本当にありがとうございます!
これからも自分の失敗、挑戦をネタに ライフハック集を綴っていきます(・∀・)
どうぞ応援よろしくおねがいします〜(*^^*)
torico